東京の厨房で15年。
多くのスタッフを指導してきましたが、新しいスタッフが店に入った時、私が包丁の握り方よりも、原価計算よりも先に、叩き込むことがあります。
それが「挨拶」です。
「おはようございます」「失礼します」「ありがとうございます」。
この基本中の基本ができないスタッフは、どれだけ料理のセンスがあっても、プロの現場では通用しません。
挨拶は、厨房の規律(オペレーション)を守り、チームワークを円滑にするための、すべての基礎だからです。
実は、これは「陸マイラー活動」をこれから始める初心者にも全く同じことが言えます。
複雑なポイントサイトの交換ルートや、高度なクレジットカードの多重決済術を覚える前に、絶対に外してはいけない「基本中の基本」があります。
今回は、私が15年の経営と、何百万マイルもの積算経験から導き出した、初心者が最初に覚えるべき「マイルの三原則」を、新人スタッフへの指導と同じ熱量で伝授します。
原則一:食材(ポイント)を腐らせるな。「有効期限」を管理せよ
厨房において、食材を冷蔵庫の奥で腐らせることは、最大の背信行為です。
私たちが日々のポイ活で貯める「ポイント」は、料理で言えば食材そのもの。
そして、その食材には、必ず「有効期限」があります。
マイル初心者が最も陥りやすい失敗は、貯めることだけに集中して、期限切れで食材をゴミ箱に捨てることです。
ポイントサイトのポイント、クレジットカードのポイント、そして最終的なJALマイル。
それぞれに異なる有効期限があります。
「いつかハワイに行けたらいいな」というなまくらな覚悟ではなく、「来年の○月に飛ぶために、今このポイントを仕込む」という、明確なタイムマネジメントが必要です。
食材(ポイント)の状態を常に把握し、最高の状態で調理(交換)する。これがプロの陸マイラーの第一歩です。
原則二:メニュー(特典航空券)の原価を知れ。1ポイントの「価値」を査定せよ
新人スタッフにメニューの価格設定(原価率)を教える時、「なぜこの皿はこの値段なのか」を原価計算に基づいて理解させます。
マイル活動においても、あなたが貯めた1ポイント(1円相当)が、マイルに変わった瞬間、どれほどの「価値」に跳ね上がるのか、その原価率を正しく理解する必要があります。
マイルの最大の魅力は、現金で買うと何十万円もするビジネスクラスやファーストクラスの航空券を、ポイントで手に入れられることです。
例えば、JALのハワイ往復ビジネスクラス(基本マイル)は、通常80,000マイル。
これを現金で買えば40万円近くします。
つまり、1マイルの価値は「40万円 ÷ 80,000マイル = 5円」になります。
初心者は、1ポイント=1円の価値でそのまま使うのではなく、JALマイルという「魔法のスパイス」を加えることで、その価値を5倍、10倍に跳ね上げられるという、この原価のカラクリを骨の髄まで理解してください。
原則三:レシピ(ルート)を守れ。勝手なアレンジは失敗のもと
厨房では、どんなに経験のあるスタッフでも、店の「秘伝のレシピ」を無断でアレンジすることは許されません。
なぜなら、そのレシピは、最も美味しく、最も無駄なく料理を提供するために、先人が何百回と試行錯誤して完成させた「正解」だからです。
マイル活動も全く同じです。
ポイントサイトからJALマイルへと交換するルート(レシピ)には、その時々で「最も効率が良く、最も歩留まりが良い(目減りしない)」正解ルートが存在します。
2026年現在、ドットマネーやモッピー、そして新しく登場したゲートウェイを経由する「黄金ルート」を、初心者が勝手に「面倒だから」とアレンジ(直交換など)してしまうと、本来100%のマイルになるはずが、50%や30%に目減りしてしまうことがあります。
まずは、覇権マイラーたちが確立したレシピを、忠実に、完璧に再現すること。
勝負は、基本ルートを完コピしてからです。
結論:基本の「挨拶(三原則)」ができた者だけが、最高の皿(ファーストクラス)を味わえる
「マイルの有効期限管理」「1ポイントの価値の理解」「交換ルートの遵守」。
この3つは、陸マイラーにとっての「挨拶」です。
どれだけ高度な決済術(包丁使い)を覚えても、この3つができていなければ、あなたのマイルはいつか腐り、価値を失い、霧散します。
15年目オーナーシェフとして断言します。基本を疎かにする者に、プロの現場は微笑みません。
逆に、この基本さえ完璧にマスターすれば、あなたも数年後には、家族をファーストクラスの席へ案内できる、一流の料理人(陸マイラー)になれます。
今日から、厨房(日常)で、マイルの挨拶を徹底しましょう。
おはようございます!

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