東京に自分の店を構えてから15年。
私は365日、ほぼ全ての時間を厨房の中で過ごしてきました。
「店を開けているのが当たり前」
「休むことは、お客様を裏切ることだ」
職人気質の強い私は、そんな呪縛にずっと囚われていました。
風邪をひこうが、腰が痛もうが、仕込みの手を止めたことはありません。
飲食店経営者にとって、店を1日閉めるということは、その日の売上を捨てるだけでなく、積み上げてきた常連客の信頼を失うかもしれないという、恐怖との戦いだからです。
そんな私が、先日、娘の2歳の誕生日に合わせて「一週間、店を完全に閉める」という決断を下しました。
スタッフには有給を出し、看板の電気を消し、鍵を閉めて、家族3人でハワイへ飛びました。
15年間、頑なに厨房に縛り付けられていた私の背中を押し、人生の優先順位を鮮やかに変えてくれたもの。
それこそが、日々の生活の隙間でコツコツと貯め続けてきた「マイル」でした。
「店を空ける不安」という呪縛を解いたのは、積み上げたマイルだった
個人事業主にとって、旅行のコストは「旅行代金」だけではありません。
店を休んでいる期間の「機会損失(入るはずだった売上)」もすべて重くのしかかってきます。
現金で家族3人分のハワイ往復航空券とホテル代を払うとなれば、それだけで100万円単位の出費。
そこに休業損害が加わるとなれば、どれだけハワイに行きたくても「やっぱり店をやろう」と踏みとどまってしまうのが経営者のリアルな本音です。
しかし、今回の旅費の大部分は、私がMacBook Airの画面越しにコツコツと仕込んできたJALマイルで賄われました。
「航空券代は、実質ゼロ」
この事実が、私の心の天秤を大きく動かしました。
マイルという資産が、現金を減らす恐怖を完全に打ち消してくれたのです。
マイルは、単なる「お得なポイント」ではありません。
私たちのように現場から離れられない人間に、義務や不安を飛び越えて「本当に大切なもののために時間を使う」という選択肢をくれる、文字通りの「自由への招待券」なのです。
一流の料理は「心の余裕」から生まれる。ハワイで再確認した五感の重要性
15年同じ厨房で同じ火を見つめていると、技術は研ぎ澄まされますが、同時に感性が少しずつ摩耗していくのを感じていました。毎日同じルーティン、同じ景色。
ハワイのカラカウア通りを吹き抜けるトレードウインド(貿易風)を感じ、どこまでも青いカイルアの海を眺め、現地の荒々しくも生命力に満ちた食材に触れた時、僕の五感が一猛烈に覚醒していくのが分かりました。
「良い料理を作るには、良いインスピレーションが必要だ」
これは厨房にこもっているだけでは絶対に手に入らない仕入れです。
ハワイで得た圧倒的な開放感と、現地のおもてなし(アロハスピリット)の心は、日本に帰ってきてからの僕の料理を確実に変えました。
店を閉めることは損失ではなく、これからの15年をさらに戦い抜くための「心のオーバーホール(大掃除)」だったのです。
2歳児が初めて海を見た瞬間の記憶。それは100万円の売上より価値があるか?
ハワイの砂浜で、娘が初めて波に触れた瞬間の顔を、私は一生忘れないでしょう。
最初は冷たさに驚いて僕の足にしがみつき、次の瞬間にはじけるような笑顔を見せて「パパ、お水パシャパシャ!」と歓声をあげる。
子どもの2歳の誕生日という瞬間は、人生に一度しかありません。
来年になれば、彼女はもう3歳。
今の、このぷにぷにとした小さな手で僕の指を握りしめ、拙い言葉で感動を伝えてくれる彼女は、今この瞬間にしか存在しないのです。
もしあの時、店を開けていれば、いつも通りの確実な売上は立っていたでしょう。
でも、10年後、20年後に僕が振り返った時、愛おしく思い出すのは「あの日の売上金」でしょうか?
それとも「ハワイの夕焼けの中で笑っていた娘の姿」でしょうか?
答えを出すまでもなく、後者でした。
マイルがあったからこそ、私は迷わず「未来の記憶」を仕込みに行くことができたのです。
結論:オーナーシェフ諸君、マイルで「家族との時間」を仕入れよう
私と同じように、責任感から店を休めずにいる経営者や職人、ビジネスパーソンの方々に伝えたい。
あなたが守っている現場は確かに大切です。でも、あなたが本当に守るべきものは、その看板の向こう側にあるはずです。
日々の買い出し、店舗の決済、生活のあらゆる動線をJALマイルに集中させる。
それは、数年後のあなたに「大切な人を最優先する自由」をプレゼントするための、最も確実な投資です。
マイルという翼を使って、あなたも人生で一番大切な「仕込み」を始めませんか?

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